3回目となった、古典AIと量子AIの比較シリーズ。
第1回:美味しいカレーを作りながら、古典AIと量子AI、各々をまず定義(定義が正確かどうかは重要ではない)
第2回:量子って、「むしろ何もしたくない、引きこもり」ではないか、と理解(これは重要、たぶんそう)
と進んできた。
今回は、働き者(古典AI)と怠け者(量子AI、酷い言い方だが雰囲気的にそう感じる)を組み合わせれば、どんなことができるかを考察したい。
美味しいカレーの香りを作ろう
「美味しいカレーを作る」というシンプルな命題を、古典AI+量子AIシステムに相談するのは
・美味しいとは?
・美味しいカレーとは?、”美味しい” と ”いまいち”の差とは?
・どれをどんな人が美味しいと感じているのか?
・その時の材料は?、それらの状態は?
等々、いろいろあり過ぎて、定義だけで挫折しそう。
なので、もうちょっとシンプルに、香りの分子を美味しくしてみる、という感じに、範囲を狭めてシミュレーションしてみます。
ワークフロー
想像した、古典AIと量子AIでを活用した作業の流れは以下の通り。
(1)古典AIで、カレーを細分化する。
香りや味を“数値の粒”に細分化し、その粒の組み合わせとして、カレーの世界を構築する。
(2)古典AIに、香りの分子に対して「こっちのほうが美味しいかな?」的な変化を与える
ここには「人」の匙加減が入る。「美味しさ」は結局、AIには理解できない。なので人が数値を変化させて代替する。
(3)量子AIに、その分子を最適化して、とお願いする
(4)量子AIは、量子チップにその分子構造を重ねる
(5)量子AIは、こっちに行くと良くなるかも、と量子チップにささやく
量子AIは「美味しさ」そのものは理解できないが、分子として「より良い形」にはできる。
いや、できる、というより、そうなる。
(6)量子AIが、量子チップを覗くと、結果が得られる
(7)量子AIは、その結果を古典AIに返す
(8)古典AIは、受取った分子を評価し、まぁまぁ良ければ次に進む
上記をもの凄く繰り返すと、良さげな分子が順番に出来あがり、素材が出来上がる。
人がその素材を評価し、良ければ完成。だめなら方向性をちょっと変えてもう一度繰り返す。
となると思う。
進むか/やめるか/どう変えるか、これらは人が判断するけれど、あとは古典AIと量子AIに任せれば、良いものが出来上がる。
量子AIが出来れば何でも凄くなるか?、古典AIはいらなくなるのか?、かというと、そういうわけではないね。
前捌き/後ろ捌き/人とのやりとりは、いまと同じようなUI/UX+古典AIが担当する、ということですね。
みんなが「美味しいカレー」を作れるのか?
なんか凄い。今回の例は「美味しいカレー」だけれど、基本的にはどんなものでもこの流れで、良いものがどんどんできるのだと思う。
良いものは売れる。どんどん儲かる。
みんな、古典AIと量子AIを使って、ぐるぐる回して開発すれば、良い物が作れて儲かるのだ。
・・・・・
つまり、古典AI~量子AIを使える人は儲けられる、使えない人は儲けられない。
そして一番の問題は、「最初に古典AI~量子AIで良いものを作り出した人が圧倒的に優位」になる、ということだ。
突然壁が出来る
古典AI~量子AIを使う準備をしていなかった、ならばしょうがない。それは読みが浅かったということだから。
けれど、準備が出来ているのに使えない人・企業が、たくさん発生する気がする。
だって、古典AI~量子AIを回す仕組み、すぐにはみんなが使えるほどには行き渡らないだろうから。
「お客さま、順番待ちになっておりまして、利用可能になるのは2年後になります」(IBM)
なんて言われたらもう、絶望するしかないよね。
貴方はどちら側?
同じような製品をもつ企業が10社あったとする。
1社だけが古典AIと量子AIを使って新しい製品をどんどん開発したら、残りの9社は潰れる、ということになる。
地道に積み上げた努力、それが追いつかれ、追い越される。
量子AIの登場によって。
その時代はもうすぐ、わりと早く来る。
貴方の会社は1社側?、9社側?、じゃあ、どうする?